お知らせ

本学南学長を大会長として第1回世界災害看護学会を開催

2010.01.09

2010年1月9日、10日の2日間に渡りまして、神戸国際会議場をメイン会場として第1回世界災害看護学会(1st Research Conference of World Society of Disaster Nursing)が開催されました。日本災害看護学会および世界災害看護学会が主催し、本学の南学長が大会長を務めました。

メインテーマ 「災害がつなぐ地球人の絆 -Disaster Knows No Borders: Human Bonding-」

世界災害看護学会(World Society of Disaster Nursing)は、世界中で災害が多発するなか、十分とは言えない災害に関する知識や情報の共有・活用を目指し、国際レベルでの学術交友や共同研究を推進し、災害看護学の知識や実践の体系化を図ることを目的として2008年1月に設立された国際学会であり、本学会はその第1回学術集会として開催されました。
1995年に阪神・淡路大震災を経験した兵庫の地に、14か国から約400名の災害に関わる看護職や災害看護に関心のある人々が集まり、その人々の体験・経験を共有するなかで、情報交換、議論を行い、災害に対応する体制を強化し、備えや減災につながるためのネットワーク構築を目指しました。
各国からの実践報告、研究報告が行われ、世界中の災害の実情を共有し、看護職として今後果たすべき役割について発表者とフロアの参加者が活発な意見交換を行いました。特に、50名以上の海外からの参加者からは緊急時の対応の整備とネットワーク構築の重要性が語られました。
また、学会期間中に一般市民を対象とした市民フォーラムを同時開催いたしました。被災後15年を迎えた神戸で、市民と専門職者が一体となって災害に立ち向かうため、双方からお互いへの思いを投げかけて、これから一緒に防災・減災に取り組める共同体をつくるきっかけを作り、海外へと発信しました。
さらに、21世紀の災害看護を担う若い人たちに向けて、「ナーシング サイエンス カフェ」を開催しました。これから未来において、若い人たちがどのように災害による被害に対して立ち向かうのか、グロカルな視点で被災した人々の側からどのように看護は役割と責任を担っているのか、21世紀の災害看護の未来にむけて災害(看護)に興味・関心を持つ若い人たちと災害看護に関係する専門職と対等の目線で自由な雰囲気で話しあい、災害看護への意識を高めました。
本学の南学長が大会長を務め、岡谷看護学部長が事務局長として学会の運営を行いました。本学の多数の教員が企画委員・実行委員として参画し、また、兵庫県下および近隣地域の看護系大学の教員に多大なるご支援をいただき運営することができました。本学や近隣の看護系大学の学生が学会の受付、誘導、案内等のボランティアに積極的に参加すると同時に、学生同士の交流を深め、国際学会の雰囲気を体験できました。参加者の皆様からは、「災害看護の経験を将来に活かすために、経験を分かち合うことができた」「国際学会を開催し、今後継続していくことは意義深いと思った」など多くの感想をいただきました。誠にありがとうございました。
次回学会は英国で開催予定であり、グラモーガン大学のProfessor Donna Meadが大会長を務められます。災害看護および国際看護に力を入れている本学として、今後も積極的に関わってまいりたいと思います。