看護学部

主な科目紹介

深い専門知識と高い実践能力を身につけるため
講義科目と実習科目をバランス良く学習する4年間

哲学

かつて哲学はあらゆる学問を包括するものであった。ここではその意味を、哲学はあらゆる学問の基礎となる論理の力を鍛えるものであると解し、本講義をそのような意味での哲学の授業として行う。

心理学

心理学とは、目に見えない、形のない「心」を科学的に明らかにしようとする学問領域と言える。
この授業では、心理学概論として、基礎心理学に基づき、歴史、目的と方法、様々な心理学の紹介を行うとともに、対人コミュニケーションをキーワードとして、「こころ」への理解が深まり、またカウンセリングなど対人支援援助の際に有用になるような事例も紹介しながら知識を深めていく。

教育原理

教育原理は教育学の基本及び基礎的事項について包括的に学習し、包括的に深めていく科目である。また教育史に触れながら、過去の教育学の基礎を培った人物の功績、歴史的背景を踏まえながら、教育の本質に触れ、現在の教育状況を考察していく。

教育心理学

教育心理学とは、各個人の潜在能力が十分に発揮できるような効果的な教育的支援を行うための心理的知見と心理的技術とを提供しようとする学問である。発達理論、学習理論など教育心理学の基本事項に関する問題について考える力を身につけ、心身の発達に応じた、より効果的な教育についての実践力を養うことを目的とする。

憲法

法とは何かについて、憲法、民法から法体系を理解し、憲法の重要な条文、関連法令、各法分野の判例を読むことで法学の基本的知識について学ぶ。

発達心理学

人間が誕生してから死に至るまでの心の発達に焦点をあて学習する。
教育現場での発達心理学の必要性、発達の要因についての主な理論、発達段階や発達課題、さらに身体の発達、知覚の発達、知的機能の発達、ことばとコミュニケーションの発達、感情の発達、自己概念の発達、社会性の発達、道徳性の発達について乳幼児および児童期の特徴などを中心に学習する。さらに発達障害児とその支援方法について概観する。

統計学基礎

人々の健康や疾病状況を理解する手段である統計学の基本的な考えや、データのもつ意味や統計的分析方法の基礎について理解する。さらに、人口統計や国政調査、医療施設統計、国民生活基礎統計など主な統計調査について学ぶ。

生物学

生物の基本単位である細胞について、基本構造・機能・分裂のしくみなど、広く生命に関する知識を得る。そして、生物が自然界のエネルギーを利用して生命活動を行っていること。細胞や組織・臓器および生物がどのように自然界からのエネルギーを取り入れ、また自然界から取り入れた物をどのように自然界に排出しているかを学び、自然界と生物(ヒト)との関係について学習する。

文化人類学

人間行動の多様性について信仰、宗教、世界観と病気、死、不幸、不運に対する適応から学ぶ。

物理学

物理学は極微の世界から宇宙全体まで、この世に存在する物質全てを対象としている。従って、人体や医療機器も物理学の対象であり、これらを深く理解するには不可欠な学問である。ここでは、これらの理解を深めることに関係した分野についての基礎知識を習得する。

健康科学

“健康”は、からだと心の内部環境の恒常性の維持ならびに外部環境への適応の問題であると考えられる。現代社会が抱える健康に関する諸問題と生活習慣である食事、運動、ストレスについての関連について検討する。そして、健康の維持・増進に努めることができるよう知識と能力を修得する。また、「生活習慣病」などのスポーツを行うことで健康が回復される疾病に対し運動による効用、健康運動について実践できる知識と能力を身につける。

スポーツ(実技)

スポーツの実践を通して、基礎体力、運動技術、チームワーク、豊かな人間性、生涯スポーツ、自主的な判断による行動、安全性の確保等、健康の維持・増進をはかる。そして、自己の健康管理ができる実践能力を身につける。

英語ⅠA(英会話)

国際的なコミュニケーション・ツールとしての英語を念頭に、演習を通して日常的な英会話を身につけ、実践的なコミュニケーション能力を育成する。英語を母国語とする人々と積極的なコミュニケーションをとることで、人と人との交流を深めることができるようになることを目標とする。

英語ⅠB(英会話)

国際的なコミュニケーション・ツールとしての英語を念頭に、演習を通して日常的な英会話を身につけ、実践的なコミュニケーション能力を育成する。英語を母国語とする人々と積極的なコミュニケーションをとることで、人と人との交流を深めることができるようになることを目標とする。

英語Ⅱ(英文法)

日本人の英語学習に有用と思われる重要なトピックを、口語的な英文を通して読む。日本人が陥りやすい英語の誤りに留意し、日本語との比較によって、英語の語彙力、表現力を高めるとともに、より正確な語感を身につける。また、英語圏で親しまれている絵本、歌、TV番組等の紹介を通して、英語表現に慣れることも目標にする。

英語Ⅲ(医療英語)

日常的な話題について質問・応答ができ、音読、通訳・リピーティング・ディクテーションなどのさまざまな演習により聴く力を強化することを目標とする。また、看護・保健・福祉・医療に関する英語文献を読解し、さらに各文献の要旨を英文にて作成することを課題とする。

海外研修

海外において、英語を使って、看護の内容を学習する科目である。海外における看護等の専門分野を経験することにより、グローバルな視点で考え、異文化理解を深めるとともに、専門分野において英語などによる異文化・多文化の人達とのコミュニケーションを取る力を高めることを目的とする。

韓国語

韓国語の入門クラスとして、まず発音と声調に慣れ、簡単な会話と基本文型を学ぶ。特に日常会話と慣用表現を中心に、自然に基礎的な韓国語の会話ができることを目標に授業を行う。重要な語彙の使い方や語順の説明や、韓国語を実用的に使えるように多くの短文の読み書きを行う。韓国語によるコミュニケーションを通して、韓国の人々の発想や文化も学ぶ。

スペイン語

スペイン語を読み・書き・話し・聞くために必要とされる基礎的な能力を身につけることを目的とする。スペイン語の基本的な文法事項、特に多くの活用形を持つ動詞、性数変化する名詞・代名詞・形容詞等の用法を習得するとともに基礎的なスペイン語の会話ができることを目標に授業を行う。スペイン語の表現から、スペイン語を母語とする人々の発想や文化も学ぶ。

情報処理技術Ⅰ(基礎)

インターネットの発達は、情報の流通に革命をもたらした。情報収集の手段として重要になってきているとともに情報発信の手段としてクローズアップされている。そこで、本授業では、コンピュータを自由に使いこなす基本として、基本ソフトウェア、ワープロ、インターネットの利用法について学ぶ。

情報処理技術Ⅱ(応用)

パソコンを用いた情報処理の中から、その基本となる表計算ソフト及びホームページによる情報発信について、それらを利用するための基本的な知識と演習を通して修得することを目的とする。特に「計算の能力」に対応する表計算に重点を置いて講義するとともに、表面的な操作だけでなく、そのアプリケーションソフトの仕組みについても理解を深める。

人体の構造と機能Ⅰ(解剖)

人体の構造の形態的特徴、形成過程を理解する。本講義は生命維持に必要な骨格系、循環器系、呼吸器系、消化器系、内分泌系、泌尿器系などについて解説し、さらに人体の構造と臨床的応用との関連性について教授する。

人体の構造と機能Ⅱ(生理)

人体の恒常性を保つ器官系統とその調節機能を理解する。本講義は人体の最小単位となる細胞の構造や機能を始め、骨格筋の収縮や神経の興奮のメカニズム、代謝に関わる循環系、消化器系、内分泌系、泌尿器系などの調節機能について解説し、病態生理学や臨床的応用との関連性について教授する。

病理病態学

臓器組織の差を超えて共通にみられる基本7病変を、その成り立ちや種類などにより質的に亜分類し、原因、成り立ち、経過、転帰、などについての病気の原理を学ぶ。

栄養代謝学

人間の健康における栄養の摂取の意義と機能について、内部環境や代謝の機能を基盤として理解する。人体のエネルギー源となる糖質・脂質・タンパク質の消化・吸収・代謝・排出の仕組み、ビタミン・ミネラル等の生理的役割について学ぶ。

感染免疫学

感染成立の要因やメカニズム、免疫学、特に病原微生物となりうる細菌、ウイルスなどについて、講義と観察実験を通して理解を深める。さらに、院内感染防止対策の要である、手洗い等について、その方法、除菌効果等、演習を交えての講義を行い、知識だけでなく確実なスキルを獲得できるようにする。

臨床栄養学

人間のライフステージの各段階における栄養所要量と栄養状態の判定を理解する。また、健康障害と栄養療法について、疾患系統別の食事療法の実際を学び、栄養管理に必要な知識を学習する。

診断治療学Ⅰ(内科系)

人間の健康障害とその回復過程を理解し、病人の自立の動機付けと援助するために、看護の実践上、疾病の病態、症候、診断、治療の概要を学ぶ。主として成人期の主な疾病の治療および予後について適切な看護を提供する知識、手法、能力を養う。そのために各分野の代表的疾病、すなわち血液疾患、アレルギー疾患、代謝疾患、循環器疾患、内分泌疾患、婦人科疾患、消化管・消化器疾患等について、看護に必要な疾病の原因・病態、症候、診断、治療の概要を学ぶ。また、高齢者の疾病の特徴についても学ぶ。

診断治療学Ⅱ(外科系)

外科領域及び、脳、神経系疾患、筋・骨格系疾患についての基本的な知識を習得する。そこで、外科的侵襲と生体反応、損傷、麻酔法、代表的な外科系疾患の手術法、臓器移植、各種手術法と術前術後の患者管理、術後合併症、術後の経過、予後について学ぶ。そして、脳神経系疾患・骨筋肉系疾患患者に対するリハビリテーション、放射線治療の適応と方法について学ぶ。

診断治療学Ⅲ(運動器)

人間の姿勢を保つ運動器系の形態(骨・関節・筋肉・末梢神経及び脊椎)と機能を理解する。合わせて、運動器系のフィジカルアセスメントを理解する(全身的な機能的肢位・良肢位・各関節や脊椎の形態機能の異常など)。運動器系疾患の代表的な症候を取り上げ、検査・診断・治療(保存的・外科的)を学習する。

診断治療学Ⅳ(小児)

新生児を含む小児特有の疾患を中心に、呼吸器、循環器、消化器、泌尿器、精神神経系、代謝内分泌系、感染症、血液・腫瘍・免疫性疾患の特徴と、それらの病態・診断・治療について系統的に学習し、看護実践の基礎となる専門的な知識を学ぶ。また、小児の死亡原因の第1位である不慮の事故や外傷、近年増加している児童虐待など、社会医学的側面として最近の小児を取り巻く育児環境についての専門的な知識を学ぶ。

診断治療学Ⅴ(母性)

妊娠・分娩・産褥期の身体的特徴と生理的変化、異常過程にある妊産褥婦の疾患についての知識を習得する。また、女性のライフサイクルにおける特有の疾患への看護援助に必要な観察と判断のための知識を習得する。

臨床薬理学

薬物を用いた疾病の治療とその効果や副作用、新薬の開発や治験、評価について学習し、臨床で用いる医薬品、剤形、注射薬及び輸血剤とその適応、処方箋と法令、感染対策と消毒薬、医薬品の安全性及び副作用等について学ぶ。

生命倫理

人権の尊重に基づく看護の対象となる人の自己決定を支援するために、全人医療、インフォームド・コンセント、医療におけるQOLなど様々な問題について考察する。また、生きることの意味やいのちについて探求する。生命倫理学の誕生の背景、環境倫理と新しいパラダイム、遺伝子操作と生命、人工中絶と生命倫理、人間の価値と生命倫理、生命倫理と最近の動向について学ぶ。

女性学

今日の女性問題を認識し、歴史的・社会的背景とともに理解する。具体的には女性学について学ぶ意味を含めて概説する。今日の女性問題の実態、これをめぐる政策と法律、社会運動、歴史・文化・社会的背景を述べる中で構造を明らかにしていく。

生化学

この科目では、体を構成する物質の分子構造とその機能、物質交代とエネルギー産生などを学ぶほか、分子遺伝学の基礎知識や生命活動における生化学反応の調節などを学習して、病気の原因や治療法を理解するための知識を習得する。

精神保健

こころの健康を保持・増進することと健康障害を予防するために必要とされる知識・技術について、精神保健に関わる代表的疾患の診断・治療学や基盤となる理論に基づき理解する。

保健医療福祉制度論

わが国における保健医療福祉制度の実際およびそれに関連する法律、政策等、保健医療福祉制度に関わる基本を学習する。また、社会的に問題となっている健康上の課題を取り上げ、その背景を分析するとともに、課題解決に向けて取り組まれている政策およびその政策形成過程を調べ、取り組みの効果や政策の有効性などについて議論する。

公衆衛生学

公衆衛生の概念と基本的な内容を理解する。健康と環境、疫学的方法として健康が環境や生活習慣と関連していることを理解し、ヘルスプロモーションの概念やその取り組みについて具体的な事例を通して学ぶ。

疫学保健統計学Ⅰ

集団を対象とした保健活動の基礎となる疫学・保健統計の基本概念を理解し、健康事象の記述、調査、評価の手法を習得する。また、保健活動の場面で統計をどのように活用できるかを考えながら、情報収集、分析、解釈の流れを学ぶ。

チーム医療論

看護職と連携する他職種への理解を深め、チーム医療の考え方、現状の課題について学習する。他の医療専門領域(医学、薬学等)の学生との討論等、専門性の違いによる医療に対する考え方や介入方法の違い等について知る機会を通して、効果的なチームアプローチのあり方について検討する。

看護学概論

看護・看護学の歴史的発展、20世紀前半以後の近代看護の考えの変遷と看護学の基本概念である「看護」「人間」「健康」「環境」について学習し、看護とは何か、看護学とは何かについて深く考え、自らの看護観の構築に向けた基盤を形成する。

看護理論

看護学を学ぶ上で、看護理論とは何かについて理解を深め、各看護理論についての枠組みや看護の中心的概念を学び、看護実践への土台とする。

看護コミュニケーション論

看護実践のために必要な対人関係を発達させる技術として、患者-看護師関係、多職種とのコミュニケーション技術やグループダイナミックスの理論について学ぶ。

看護技術Ⅰ(日常生活援助)

あらゆる健康レベルにある対象の個別性に応じた日常生活援助ができるために科学的な根拠に基づき、深い人間理解に基づいた基本的知識を理解した上で、基礎技術を習得し、態度を身につける。具体的には、日常生活援助として、安楽への援助、ボディメカニクス、体位と安楽、生活と休息への援助、生活環境への援助、衣生活と身だしなみの援助、栄養と食事への援助、排泄への援助、清潔への援助について原理原則を身につけることができる。

看護技術Ⅱ(診療の補助)

すべての援助の基盤となる共通の技術(無菌操作等)を軸とし、日常生活行動に関連した治療援助技術(導尿、浣腸、経管栄養)、治療や検査を受けるために必要な治療援助技術(採血、与薬、注射、点滴管理等)についての知識および技術を重点的に習得することを目的とする。

看護技術Ⅲ(看護過程)

看護の思考の枠組みである看護過程を、具体的な看護の対象者を想定したケースに基づいて展開し、看護過程の解釈、対象者の状態のアセスメント(情報収集・看護診断(看護問題の抽出)・分析・結果・評価)、個別性のある対象者の理解と必要なケアを導き出すための技術を学ぶ。

フィジカルアセスメント

人間の生活行動からみた枠組みで身体の形態、機能をみていくという考え方をもとに、フィジカルアセスメントを行うための知識、技術を習得する。また看護過程のサイクルのなかで、この技術がどのようにつながっていくかをふまえながら理解を深める。

基礎看護学実習Ⅰ

健康障害により医療機関で療養生活を送っている人に対して基礎看護技術やコミュニケーション技術を用い対象の理解を深めると共に援助的人間関係を形成するスキルを習得する。また看護師と共に援助場面に参加し、看護師-対象者関係、看護の機能や役割について理解を深める。

基礎看護学実習Ⅱ

看護者と対象者との援助的人間関係を形成する基礎的な看護実践能力を習得する。一人の対象を受け持ち、情報収集、アセスメントから看護実践、評価までの一連の看護過程を展開する。また基礎看護技術を用い対象者の意思および権利、個別性を尊重した日常生活の援助を実践する。実習体験を通して対象者に行った看護にどのような意味があったのかを振り返り自己の看護観を深める。

成人看護学概論

成人期にある対象の身体・精神・社会的な特徴と発達課題を理解し、人々の健康上の諸問題を総合的に学ぶとともに、対象者が健康回復過程で生じる健康上の問題に対処できる方法について考えることができる。さらに、慢性的な健康状態にある対象者の変化について理解し、看護援助の特徴を理解することができる。合わせて、生活習慣と健康障害の関連など成人保健活動の基本について理解する。

リハビリテーション論

リハビリテーションの理念を理解し、健康障害となった対象者が身体的・精神的・社会的・経済的に回復するために必要な支援方法が理解できる。運動障害、行動障害、機能障害、身体障害などを軽減させ、社会的不利を最小限にするためのチーム医療の構成員と具体的支援内容がわかる。

成人看護学援助論Ⅰ

慢性期、終末期にある成人の対象者が直面する様々な健康問題を解決するための実践的な援助方法について学習する。看護理論や臨床知を活用しながら事例を用いて対象者の生活上の環境や健康段階についてアセスメントを行い、健康問題を抽出し、看護目標及び対象者の生活状況に即した看護介入計画を立案する。そして、グループごとに事例検討を行い看護過程を振り返ることで、看護援助の知識と技術を統合させ看護実践に活用する方法を学ぶ。

成人看護学援助論Ⅱ

急性期にある患者・家族を対象として、急激な健康状態の変化が生じた患者・家族への看護を学ぶ。特に突然の急性期疾患症状、外傷、熱傷などの危機的状況、全身麻酔で外科治療に伴う周手術期の患者へのクリティカルケアに焦点を当てて、対象者が回復過程で生じる健康上の問題に対処できる看護について理解する。

成人看護学援助演習

この科目は、次の2つの領域を中心として演習を行う。まずは生活習慣病や慢性的経過をたどる対象者への具体的看護援助(苦痛の緩和、教育・指導など)を学習する。さらに、急性期・手術期・回復期にある対象者への救命や身体機能の改善を図るための具体的看護援助(全身観察、機械器具の利用など)を学習する。さらに、対象者の健康上の問題を解決するための具体的看護展開の技術を事例を用いながら習得する。

成人看護学実習Ⅰ

成人期にある対象者を対象として、生涯にわたり疾病のコントロールを必要とする対象の健康問題を捉え、高血糖、高血圧、高脂血症などの身体の反応と食習慣、運動習慣、休養の取り方、嗜好などの個人に特有な生活習慣を理解し、健康を増進し、生活習慣病を予防するために個人、家族、グループを対象とした看護援助について学ぶ。療養者の生活上の環境に対して、その人の状況に応じた生活の援助ができる知識、療養者の生活上の環境をアセスメントする意味とその方法を知り、その人の状況に見合った援助方法を考える。

成人看護学実習Ⅱ

成人期にある対象者を対象として、急性期、周術期、回復期にある対象者の健康問題を捉え、看護の必要性を把握し、必要な看護援助について学び、看護過程を展開する。また、生命危機状態にある対象者特徴を理解し重症ならびに集中的に必要な看護における技術と知識、家族への看護援助方法を習得する。

老年看護学概論

老年看護学を理解するための基盤となる“老い”の意味や老化について学修する。併せて、わが国の人口高齢化現象など高齢者を取り巻く社会、環境について学修し、生じている課題を検討する。また、老年看護の意義や看取りについて理解する。

老年看護学援助論

老年期の健康や特性について、老化による変化を身体的・生理的、心理的・社会的側面から学修し、理解する。併せて、老年期の特徴的な症状や陥りやすい健康障害を学び、それらに関するアセスメント方法や支援方法について学修する。

老年看護学援助演習

健康と生活の両面から高齢者を支援するための看護技術を経験し、身につける。併せて、高齢者疑似体験により、高齢者を理解する。また、高齢者を対象とした事例を通して、情報収集、アセスメント、看護計画の立案など、一連の看護過程を展開しながら、老年看護の実際を学ぶ。

老年看護学実習

健康障害のある高齢者に対する看護が実践できる能力を養う。具体的には、病院や施設に入所する高齢者に対し、老年期の特徴をふまえて包括的にアセスメントし、療養生活の質の向上をめざした看護実践を行いながら、看護過程を展開する。併せて、高齢者の尊厳や倫理面について学修する。また、老年看護における看護師の役割や自己の課題について考える。

小児看護学概論

子どもの権利とともに子どもを取り巻く環境を理解し、子どもの成長・発達について発達理論とともに理解する。また、子どもの発達段階に応じた援助方法を学び、健康障害や入院が子どもと家族に与える影響について理解するとともに、在宅療養中の子どもと家族を理解し、小児看護の特殊性と役割を学ぶ。

小児看護学援助論

小児看護の理念とその実践に必要な基本的知識・技術体系を統合し、小児看護の特殊性と看護の専門的な役割と方法について学ぶ。また、様々な健康レベルにある小児とその家族や医療的ケアを継続する子どもとその家族に対しての適切な援助方法について学ぶ。

小児看護学援助演習

様々な健康障害にある小児と家族の健康状況のアセスメント方法を理解し、小児とその家族の苦痛を最小にし安全な生活が送れる援助技術について学ぶ。

小児看護学実習

発達課題にある小児とその家族への援助を通して、発達する子どもの特徴、子どもと家族のニーズならびに健康生活を理解する。そして、個々の子どもの発達段階と健康段階に応じた看護を実践する基礎的な能力を養い、小児看護の特殊性と役割について学ぶ。

母性看護学概論

母性看護学の基本概念を理解し、人間の性と生殖の側面から、女性の全生涯を通じた健康生活の促進と健康問題への援助活動を理解し、母性看護の役割と重要性について認識を深める。

母性看護学援助論

生命誕生を中心に、妊娠、分娩、産褥の経過と母性看護、新生児の看護について学び、地域で生活している対象とその家族の状況に則した安全で快適なケアを提供するための専門的知識を学ぶ。

母性看護学援助演習

母性看護援助論で学んだ理論や方法をもとに、必要な技術、態度の形成および小集団指導についての方法論の基礎を学ぶ。また、対象者の健康上の問題を解決するための具体的看護展開の技術を事例を用いながら習得する。

母性看護学実習

妊娠・分娩・産褥期にある母子および家族の健康課題を、ライフサイクルの視点と社会生活を営む人としての視点から理解し、対象のニーズに合った継続的支援の実際を学ぶ。また、母子保健における看護職の役割について考察を深める。

精神看護学概論

こころの問題を誰にでも起こりうることとして捉え理解する。また、精神障害の問題を理解し、ノーマライゼーションの概念や障害者の人権、障害者福祉施策等、障害者の自立支援に必要な理論・知識を学ぶ。さらに、障害者が生活するうえでの問題を理解し、障害者の自立を支援するために必要な看護に関して、「健やかな地域づくり」という観点から看護の役割・機能・課題について学ぶ。また、様々な社会資源について理解し、福祉職との連携・協働のあり方について学ぶ。

在宅看護論

地域における在宅看護の対象者と家族のQOLの向上をめざす看護について学ぶ。また、在宅ケアを支える制度や社会資源の活用、多職種との協働・連携の理解を通して、在宅ケアにおける看護の役割について学ぶとともに、地域包括ケアシステムの構築の重要性について考察する。

在宅看護援助論

在宅看護の対象者の多様化するライフニーズや健康ニーズに対応するアセスメント能力を養い、在宅での高度な医療の継続を支える看護についてその方法等を修得する。

在宅看護援助演習

対象の状況に応じた在宅看護を展開するために、在宅で生活する対象の日常生活をアセスメントするとともに、在宅場面で実践できる看護的技術を学ぶとともに、エビデンスに基づいた援助方法を探究し演習を通して確実な看護援助技術を習得する。

在宅看護実習

在宅療養を必要とする対象・家族の特性と生活ニーズを理解し、生活(生きること)を支える看護援助について実践を通して学ぶ。また、地域社会におけるケアシステムおよび保健・医療・福祉の連携と継続性、看護職の役割について学習する。

異文化看護論

様々な社会文化的背景を持つ対者を理解し、看護ケアを提供する上で必要となる文化に関連する諸概念(国籍・民族・宗教・信条・価値観・社会階層等)について理解する。又、国際的な主要な活動の場である国際機関や世界における人々の健康問題・課題について知識の構築を図る。又、異なる文化を通して、一つの現象が国や地域によって多様な意味合いを持つことを看護の側面から理解し、その実際について学び、多文化共生の視点による看護ケアについて考察する。

災害看護論

災害によりもたらす人間の生活や社会、健康にどのような影響を及ぼすのか現象や事象を通して考えられ、また、災害から人々の生命・健康・生活を守るために必要な看護支援と看護の役割について学ぶ。さらに、災害前から中・長期にわたる看護支援活動に必要な知識、技術を深め、国内外の災害に対し災害看護支援者として看護実践を行える基礎的能力を高める。

国際看護活動論

日本を含む世界の人々の健康や生活課題は何か明らかにし、それらの具体的な看護実践活動ついて深める。さらに、世界の看護職と協働して、特に緊急の健康・生活課題について国内外の看護職とどのように連携し解決していくかその方法についても探究していく。そのために地球規模(グローバルな視点とローカルな視点)で看護が考えられ、看護活動実践ができる知識や技術、態度への理解を深める。

基礎ゼミ

大学で主体的に学びを深めるために、基礎的なスタディ・スキルズ(聴く力、話す力、読む力、書く力、調べる力)を身につける。基礎的な学習力を基盤に、看護・医療・保健に関連するテーマを題材に討議し、事象の根拠を明らかにして説明し表現する力を高める。

キャリア設計

キャリアとは何か、看護専門職としての看護職、看護師という資格を活かしてキャリアをどのように積んでいくのかをイメージ化し、生涯学習へと繋げる。

医療安全

医療における安全管理の理論と実践を学ぶ。また、安全で信頼される医療を提供するために、医療チームの一員としての行動を学ぶ。

看護倫理

看護倫理の基盤となる看護の価値についての理解を深めるとともに、生命倫理を取り巻く課題、対象者の権利とその擁護、医療技術の進歩に伴う倫理的な課題、看護職の責務と倫理綱領など、看護職に必要な倫理に関する基本的知識を学習する。

看護管理論

医療・看護組織におけるリーダーシップとマネジメントの基礎、医療・看護提供の仕組みについて学習し、医療・看護サービス提供に係る課題について考察する。

看護教育論

保健師・助産師・看護師の職業成立、教育・資格制度を学習し、看護専門職としての看護実践の特徴を理解する。次いで、看護基礎教育の教育課程の変遷、継続教育、生涯教育について理解し、専門看護師、認定看護師の役割が説明できる。さらに、看護の提供者としての活動の場、活動内容、現在の課題について考えることができる。

代替補完医療と看護

古くから看護の技として用いられてきたマッサージやタッチは代替補完医療に含まれ、看護と代替補完医療には共通点が多い。すなわち、患者を全人的に捉えること、健康の維持・増進や苦痛の緩和に焦点を当てていること、主体は患者であって治療者は補助的、支持的な役割を果たすこと、侵襲性の少ない方法を用いること、エビデンスに乏しいことなどである。代替補完医療の知識や技術を深く学ぶことにより、看護独自の援助方法を開発する可能性が大きく広がると考えられる。ここでは、代替補完医療の発展の歴史、代替補完療法の実際、代替補完療法の看護への導入の意義等について学ぶ。

家族看護論

家族を看護の対象と捉え、家族の役割と機能を理解し、家族がセルフケア機能を発揮して自らの健康課題を解決できるよう支援するための家族看護の意義と役割について学ぶ。

緩和ケア論

終末期にある人の家族の苦痛、死への気づき、死別や悲嘆反応について学習し、終末期にある人への看護援助ができるために、身体的な変化や症状や心理的プロセスを理解し、具体的な看護援助方法を学ぶ。合わせて、終末期看護の歴史や終末期患者に提供されるホスピスケアの概要や死にまつわる文化・社会的側面、終末期患者の療養の場の特徴と場の違いによる看護援助の特徴を理解する。さらに看護者に求められる態度や死をめぐる倫理課題について考える。

看護研究方法論

リサーチクエスチョン、文献検索、文献クリティーク、研究テーマの設定、研究計画書の作成、発表、研究計画の修正等を通して、①情報を探索・収集する力、②情報を吟味する力(文献クリティーク)、③疑問や課題を解決する力(研究計画の立案)を修得する。

総合看護

看護学学習の総括として、学生が興味・関心を持ち、理解を深めたいと考える学習課題・テーマについて、文献学習等、系統的方法を用いて探究する。学習の過程を通じて、他者と議論を交わし、課題の探究と新たな看護の創造に向けた基礎的能力(知識および技術)を養う。

看護統合実習

地域の特性と健康問題を査定し、看護を受ける当事者の生涯を通じた健康支援における看護機能の充実を図るための「看護提供における質の管理」について考察し、看護を創造するための基礎となる能力を育成する。

看護研究Ⅰ

看護研究の実践を通して、基礎的な看護研究の方法を学び、研究論文の書き方を理解する。文献検索方法を身に付け、文献をレビューする。学生の興味関心を基に研究テーマを決定し、研究方法を考え、研究計画書を作成する。研究計画にそって、研究を行う。また、研究における倫理的配慮を学ぶ。

看護研究Ⅱ

看護研究の過程やその成果を論文としてまとめる。加えて、研究成果をポスターを用いて、プレゼンテーションする方法を学修する。研究過程を通して、看護現象に関する問題・課題を科学的系統的に考える。

公衆衛生看護学概論

公衆衛生看護学、地域看護学における主要な概念と理念、理論、および保健師活動・地域保健活動・予防活動の対象と内容、特徴・独自性、意義について概説する。

公衆衛生看護活動論Ⅰ

ヘルスプロモーションの基本的な考え方を、身近なテーマを題材にしながら概説する。また、疫学の保健・医療分野への応用について概説する。個人・家族・集団・組織を含む地域社会(コミュニティ)および地域を構成する人々の集合体の健康増進・改善を目指すアプローチの基本的な考え方を学ぶ内容とする。また、保健行動に関する理論を学び、個人や集団の健康問題に立脚した健康教育の企画書及び指導案の作成、展開過程を演習する。

公衆衛生看護活動論Ⅱ

母子、成人、高齢者等の各ライフステージと、難病、感染症等に関する保健指導について理論と方法を学ぶ。また各理念に基づく健康管理体系と保健活動の基本を学び、各ライフステージ・疾病別における保健師の役割を理解する。

公衆衛生看護活動論Ⅲ

地域の現状を把握し、健康課題を捉えるための知識・技術を学ぶ。また、地域の現状や住民の生活、健康課題等を把握するために知りたいことや確認したいことを明確にし、自らインタビュー調査・質問紙調査を企画する方法について理解する。

公衆衛生看護管理論

日常的な地域住民総体に対する地域看護活動や感染症や災害発生などを含む地域の健康危機管理に対する基本的な知識を学ぶ。地域で活動する看護職に求められる、地域の健康問題を未然に防ぐ能力や他職種とともに活動できる能力など総合的な地域管理能力について学ぶ。

疫学保健統計学Ⅱ

疫学保健統計学Ⅰで学習した知識をもとに、それらの概念と方法を集団に応用し、看護職者に必要な統計学的アプローチを理解する。また、わが国における保健医療福祉統計を読み、健康上の課題を取り上げ、取り組みの効果や政策の有効性などについて考察する。

保健行政論

保健行政に関する法体系と健康政策の概要を学び、その中での看護の役割を考える機会とする。地域のさまざまな社会資源を知り、住民のネットワークづくりや地域保健システムのマネジメントにおける保健師の役割に関して学ぶ。事例を用いて政策形成過程等に関する演習を行う。

学校保健論

学校保健について、学校保健を規定する法律、学校保健における業務、養護教諭の職務について学ぶ。

産業保健論

産業の場で働く人々の、健康に関する様々な問題を知り、作業や職場環境が健康に及ぼす影響などを学ぶ。産業保健の場における保健師の活動について学ぶ。

公衆衛生看護学実習

公衆衛生看護学に関する科目で学んだ知識と技術を保健師の実践活動の場で統合し、学びを深める。実習場所は地域、産業、学校がある中で、それぞれの場の特性を踏まえ、地域、職場、学校で生活する個人、家族、集団、並びに地域を対象とした看護活動を展開する為に必要とされる基礎的な実践能力を習得する。(継続した指導を含む)

助産学概論

助産学の基盤となる考え方、対象の特性に関する基本的理解、出産や女性を取り巻く近年の課題に関する理解を深める。

助産診断学

助産師として基盤となる周産期医学の知識を習得する。生殖器系、関連ある内分泌・神経系の形態構造と生理、胎児の特徴と生理、そこに発生する病態とその管理、及び医療情報の査定について学ぶ。

助産診断・技術論Ⅰ

妊娠・出産による女性の身体的・心理的変化を知り、助産過程の展開に必要な援助を行うための診断及び援助技術の基礎となる知識を学ぶ。

助産診断・技術論Ⅱ

女性のライフステージ各期における性と生殖を中心とした健康課題/問題への適切な援助を行うための診断及び援助技術の基礎となる知識を学ぶ。

助産診断・技術演習

助産実践を行うために必要とされる助産を系統的に行うため、妊娠、分娩、産褥、新生児期における母子とその家族を対象とした健康診査とケアに関する基本的な助産診断・助産技術について、助産計画立案演習・技術演習を通して学ぶ。

地域母子保健

地域母子保健の概念を理解し、地域における助産師の活動領域および役割を理解する。また、さまざまな母子にかかわる社会福祉やサービスを学び、主となる対象である母子を、地域社会の生活者の視点から捉え、ケアを提供する組織的取り組みや、活動について学ぶ。

助産管理

助産業務及び運営に関する法的制度を理解し、業務の運営、評価できる能力を養う。助産業務に関わる職業上の倫理について考察を深める。

助産学実習Ⅰ

分娩期の助産師の役割について見学を通して考察を深める。分娩各期の産婦と胎児(新生児)やその家族の分娩進行中の状態やニーズを把握し、必要なケアおよび実践を学ぶ。

助産学実習Ⅱ

周産期の女性と新生児、その家族の健康問題およびニーズを把握し、必要なケアを実践する能力を養う。助産を中心とした看護の方法を学び、母子保健における助産師の役割について考察を深め、方法論を発展させる能力を養う。