姫路大学大学院

博士前期課程 授業内容

授業内容(博士前期課程)

共通科目

授業科目名 講義等の内容 教員名
看護理論特論 看護実践を効果的に導くために、看護における理論の重要性を理解し、看護で活用されている諸理論とその変遷及び理論の構成について学修する。また看護理論を基に実践における看護現象との関連について深く考察する。とくにケアリング理論を中心に教育・実践における意義について探究する。その上で、看護理論を看護実践・教育・研究に実際的に活かす方法を具体的に考える。また、科学的根拠に基づく実践(EBP)の実現に向けた看護学とその教育の充実・発展・革新に意義を見いだすことの人材育成に必要な科目として看護理論と実践を提供するとともに、EBPの根拠としてすでに活用されている看護学、関連学問領域の理論・主要概念への理解を深める。 片山 はるみ
看護倫理特論 倫理学を基盤として、看護における生命倫理の概念を概観するとともに、倫理規範、倫理理論、倫理原則、看護実践、看護管理、研究上の倫理課題および倫理的問題の解決法等を探究する。加えて、看護の倫理的課題の解決を通して倫理的判断能力を養う。さらに、人間の尊厳を守る患者の権利擁護者である看護専門職者としてより高度な倫理的感受性と思考力を獲得し、最善の努力をする看護専門職として自律する能力を探究する。 高谷 嘉枝
看護研究方法論Ⅰ 高度な看護実践を展開するために、人々の健康生活に関する重要な課題を見出し、解決へ導くための研究方法について学修する。信頼性、妥当性のある解決策を得るために、研究のデザインやプロセス、データの統計的解析法など科学的・系統的に課題を検討する手法を修得する。また、看護実践に活用し得る文献を適切に読み解き、看護実践の開発に活用できる力を身につける。加えて、関連専門職者に効果的に研究成果を公表するための方法を学修する。 森崎 直子
柳 修平
鈴木 千絵子
看護研究方法論Ⅱ 高度な看護実践を展開するために、人々の健康生活に関する重要な課題を見出し、解決へ導くための研究方法について学修する。看護研究方法論Ⅰで得た知識を前提とし、研究疑問に適合した量的研究の方法や分析、同様に取り上げる現象に適合した質的研究の方法や分析方法について学ぶ。さらには研究成果を実装する手立てや、研究と臨床との往還についてその意義と必要性を学修する。 白水眞理子
片山はるみ
野地有子
英書講読 英書講読では、データベースを用いて自身の研究テーマに関連する英語文献を検索し、いくつかのabstractを読む。次にabsractを読んで選び出したfull research articleの精読を通して、英語文献の読解力と理解力を高める。毎回の発表で論文の概要を参加者と共有していく。 野地有子
前田隆代

専門基礎科目

授業科目名 講義等の内容 教員名
看護教育論 教育と学習の基本原理、看護教育が抱える課題を取り上げ、考察を深める。また、看護教育の基盤となる概念や理論を学び、看護教育制度が抱える課題を改善し、時代のニーズに見合う人材を育成するための教育方法、評価方法、教授=学習過程を探究する。授業設計演習を通して、学習目標から評価まで系統的に教育プログラムを構築する知識と技術を修得する。 白水眞理子
片山はるみ
援助的関係論 看護実践は、看護者と対象者との相互関係を通して行うために、よい人間関係を構築する必要がある。人間関係、対人関係に関する諸理論から、治療的意味を考察し、他者理解、自己理解を深め、対話能力を向上させる。さらに看護実践場面の再検討を行い、自己への探求を深め、人間関係におけるスキルや新しい視点の開発を探究する。さらに、人間関係を形成する能力を向上させることによってリーダーシップ力を発展させる。 中木里実
藤原由泰
アドバンストヘスルアセスメント論 看護職者として、プロフェッショナルキャリア形成を導くための、倫理的かつ高度な看護実践を提供するうえで、必要な知識に基づいたアセスメント力のレベルアップを図る。さらに、科学的根拠に基づいた看護実践力向上のための身体面・心理社会面を含めた包括的なヘルスアセスメント及び社会資源活用に必要なニーズのアセスメントを学修し、看護課題に対する理論的思考を発展させる。 鈴江毅
ケアシステム論 人々がライフステージや健康レベルに応じて共通して持つ健康課題に対しての対策及び現行のケアシステムについて学修する。また、個人・家族・集団・地域を対象とした活動においては、専門職の連携を進めることが、医療保健福祉の法体系によって、位置づけられている。そこで、人々の健康課題の背景が複雑化し、課題が多岐にわたる現代においては、その課題の解決に向けて、看護職者が担う役割を明確にすることが求められている。したがって、この科目では、支援チームの中で、実践的なケアマネジメント能力やチームをコーディネートする能力を獲得する。また、今後、より重要視される人々の主体的参加を促す働きかけや、新たなケアシステムを構築する技法についても学修する。 柳修平
菅野夏子
野地有子
看護マネジメント論 看護職者に求められる看護管理・看護マネジメントに関する理論を学び知識を深める。また、看護マネジメントに必要な能力として、医療制度、組織理論、経営理論および運営の仕方、リーダーシップ能力、情報管理について学修し、看護サービスの現状と課題を明らかにする。また、看護管理・看護マネジメントの課題について考察でき、問題解決方法を探究する。 高谷嘉枝
小山恵美子
大儀律子
災害看護特論 災害看護の視点から、被災した人々の生命や健康、生活や (地域)社会の変化による影響について看護の現象や事象に存在する意味を分析・考察し、災害看護活動への有用な概念化や理論的な知識の構築について探求する。さらに、他の学問や関連する専門職領域との関係性を深め、災害への備えや災害時の人々の複雑なニーズに柔軟に対応できる方法論について探求する。また、災害看護研究における特殊性や災害時看護ケア提供における倫理的課題や人間の安全保障、異文化的課題についても考究する。 野地有子
前田隆代
家族看護学特論 現代家族は、形態面、機能面で多様であるが、何らかの問題が生じた時にまとまり助け合っていくのが家族である。しかしながら、今日、家族の危機がしばしば語られている。ここでは、家族の構造、発達、機能についての課題を明確にするとともに、家族の持つ危機について考究する。そこから家族が健康的なライフスタイルを獲得し、家族が直面している健康問題について家族が主体的に対応し、問題解決能力を高めるための支援方法について学修する。とくに障害があるという社会的に弱い立場にある児・者を家族構成員とする場合、家族が本来的に持っているエンパワメントやセルフ機能を高める支援について考究する。 富安俊子

専門科目

授業科目名 講義等の内容 教員名
看護教育・
看護管理学特論
看護職者として質の向上を図る観点から、看護基礎教育・看護継続教育及び看護の対象者へより良い教育介入のために、その本質を探究し課題を見極める。また、看護ケア実践の場における他職種者との連携・協働を含めた看護支援方法や学生の自己教育力を育成する教授法について最新の知見や看護教育の動向などから考究する。さらに、看護管理の視点から、高度な看護実践のために必要な組織的、経営的な看護管理のあり方やマネジメント力について探求する。具体的には、病院・病棟管理を中心に、目標管理、研修体制、対象者への看護相談業務、看護学生への実習指導者の関わりなどの学修を深める。 片山はるみ
白水眞理子
高谷嘉枝
小山恵美子
大儀律子
看護教育・
看護管理学演習
看護教育・看護管理学特論での学修を基にして、看護現象を研究的視点でとらえ、良い看護提供のための質向上の改善を考案する。そのためには看護教育・看護管理に関する研究の動向と最新の知識(情報)を踏まえ、自らの論理的思考を鍛え、リーダーシップを発揮するためのリフレクションや教育的関わりを振り返り再検討する。さらに、看護専門職者の新人職員から管理職までの育成方法や病院・病棟管理における看護提供方策を探索する。加えて、文献の精読・クリティークを通して、批判的思考能力を修得し、系統的に文献レビューする。さらに、学生自身の関心課題に沿った文献精読を重ね研究課題を焦点化する。現在の教育・管理実践現場での実情を把握するための臨地に赴き実習で実証的に検討するとともに、さらなる文献検討を重ねて研究の基盤を確かなものにし、特別研究へつなげる。 白水眞理子
片山はるみ
高谷嘉枝
小山恵美子
大儀律子
看護教育・
看護管理学特別研究
看護教育・看護管理学分野では、特論、演習で学修したことを基に看護教育では、看護実践の場において、教育指導及び患者指導の質向上を図るために、看護基礎教育における教授内容と方法、臨地実習指導、連携教育などに焦点をあてる。看護管理では、看護実践質向上のために、医療安全、業務改善、看護職者の能力開発、看護職者の研修体制、学生への実習指導、看護の場におけるリスクマネジメント、など学生が設定した研究課題について、研究の背景、文献検討、研究目的、研究デザイン、具体的な研究方法、倫理的配慮などについて再度確認する。研究計画書に沿ってデータ収集、分析、解釈、考察を進め、論文として仕上げる。併せて、討議や発表をとおして、プレゼンテーションの技術を向上させるとともに分野の知識を深め、実践できる能力を身につける。 白水 眞理子
片山 はるみ
小山恵美子
大儀律子
成人・
高齢者看護学特論
成人及び高齢者の個人やその家族の健康と対象理解を深め、健康課題を明らかにする。その上で、成人及び高齢者の個人やその家族に対する看護のあり方やQOLの維持向上に向けた専門的支援法を探究する。また、疾患を有する人やがん治療を受ける人の病気への受け入れ過程や苦痛の緩和について考察し、セルフケア支援やマネジメントについて探究する。加えて、高齢者の健康課題やニーズを理解するととともに、認知症を有する人の課題と支援方法について考究する。 森崎直子
西村伸子
鈴木千絵子
中木里実
成人・
高齢者看護学演習
成人・高齢者看護学特論で学修した知識を基に、成人及び高齢者の健康課題に対して必要な理論や概念、実践を活用し、個人および家族に対する援助方法を探究する。成人及び高齢者看護における重要課題を見出し、その課題の要因と解決を導く方法について検討する。また、特別研究に向けて研究課題を焦点化し、課題に関する文献レビューを行い、現象の背景や動向から高度な看護実践への展開を考究する。さらに、研究課題を解決するために実現可能な研究方法、デ-タ収集法、評価、分析、倫理的配慮などの研究プロセスについて、有効性や妥当性を考究する。 森崎直子
西村伸子
鈴木千絵子
中木里実
成人・高齢者
看護学特別研究
成人・高齢者看護学分野では、特論、演習で学修したことを基に、成人及び高齢者の個人やその家族の健康課題・ニーズを明確にし、健康及びQOLの向上を目指し、科学的思考を基に研究に取り組む。学生が重要かつ必要と見出した研究課題について、研究の背景、文献検討、研究目的、研究デザイン、具体的な研究方法、倫理的配慮などについて再度確認する。研究計画書に沿ってデータ収集、分析、解釈、考察を進め、論文として仕上げる。併せて、討議や発表をとおして、プレゼンテーションの技術を向上させるとともに分野の知識を深め、実践できる能力を身につける。 森崎直子
西村伸子
鈴木千絵子
中木里実
障害児・者支援特論 障害は種類や程度によって障害児・者や家族の生活は大きく違ってくる。ここでは、発達障害、心身障害、精神障害の研究について最近の動向や知見、障害の定義や病態などについて学修する。また、障害児・者の生活状況から問題・課題を見いだし、健康生活やQOLを向上するためにはどのような支援が必要か、医学、看護、福祉、教育との連携などについて、関係文献の検討分析を行い、支援の方向性を探究する。 鈴江毅
郷間英世
富安俊子
藤原由泰
障害児・者支援演習 障害児・者支援特論で学修した知識に基づいて、地域で生活する障害のある児・者とその家族心身の負担を軽減するための支援について、さまざまな文献・事例を用いながら検討し、倫理的問題についても追究し、社会の人々が障害についてもつ枠組みやこれまでの経験から支援方法について考究する。加えて、彼らの生活上で生じる課題を明らかにしながら障害児やその家族に対する具体的支援方法、エビデンスや、研究方法について考究し、発展させる。この演習では、障害を持ちながら生きるということの意味について、学生個々の障害観と支援方法の確立を目指す。さらに、授業を受けながら自らの研究課題を明確化・焦点化する。 鈴江毅
郷間英世
富安俊子
藤原由泰
障害児・
者支援特別研究
障害児・者支援分野では、特論、演習で学修したことを基に、重症心身障害児(者)や発達障害児に注目し、当事者や養育者の健康問題・課題、および生活状況を広く捉え、学生が設定した研究課題について、研究の背景、文献検討、研究目的、研究デザイン、具体的な研究方法、倫理的配慮などについて再度確認する。研究計画書に沿ってデータ収集、分析、解釈、考察を進め、論文として仕上げる。併せて、討議や発表をとおして、プレゼンテーションの技術を向上させるとともに分野の知識を深め、実践できる能力を身につける。 鈴江毅
郷間英世
富安俊子
藤原由泰
地域看護学特論 国内外の地域看護活動の発展の歴史から、その概念や理論的根拠を学修したうえで、地域の人々の健康ニーズを包括的に把握し、発達段階や健康レベルに応じた看護実践方法を主体的に探究する。同時に、難病疾患や障害を持ちながら在宅で生活する人々や働く人々の健康課題の解決にあたって、必要とされるより高度で具体的なアプローチ方法、正確な情報収集、分析能力を獲得する。続いて、個人や家族、集団を対象とした看護活動において社会資源及び住民と協働し、組織化する方法を学修する。そこで、様々な健康レベルにある地域住民を支える地域看護活動および地域看護学の質の向上に寄与できる視点を確立し、今後のあり方を展望する。 菅野夏子
野地有子
柳修平
地域看護学演習 様々な場での地域看護実践活動から、基礎的な理論の適用と応用について学修する。地域の人々の潜在化した健康課題を顕在化し、個別支援からグループ支援、地域での保健活動へと推進する専門的技術を学修し、看護計画を立案できる能力を育成する。地域看護活動の行政、産業、医療機関などの活動の場における活動事例を検証する過程で、自らの課題を考察する。兵庫県中播磨圏域をフィールドとして用いて、健康課題を抽出、解決策を立案する過程の学修を通して、課題探求から解決にいたる実証的能力を養う。実習施設に出向き、地域看護技術的課題の探求と健康課題の抽出を行う。研究課題を焦点化し、課題に関わる専門知識の深化、関連知識の獲得を図る。 菅野夏子
野地有子
柳修平
地域看護学特別研究 地域看護学分野では、特論、演習で学修したことを基に、地域看護学の活動の場や活動形態を広くとらえ、個人・家族・組織・地域全体に対する活動理論、医療保健福祉に関する法体系やケアシステム、地域看護活動のプロセス、地域看護技術、在宅看護活動、産業看護活動、災害看護活動などをテーマとする研究に関して、主体的に取り組む。学生が設定した研究課題について、研究の背景、文献検討、研究目的、研究デザイン、具体的な研究方法、倫理的配慮などについて再度確認する。研究計画書に沿ってデータ収集、分析、解釈、考察を進め、論文として仕上げる。併せて、討議や発表をとおして、プレゼンテーションの技術を向上させるとともに分野の知識を深め、実践できる能力を身につける。 菅野夏子
野地有子