お知らせ

令和5年度 大塩老人クラブ 歩く会様が訪問

2023.06.27

令和5年5月

姫路大学において,コロナの影響で昨年度まで中止されていた大塩老人クラブ 歩く会様の訪問が再開され、姫路大学健康・教育実践研究センターと教育学部の先生方による講演が行われました。今回は教育学部の講演の内容をご紹介します。

1.目的

姫路大学では、本学の理念・目的に基づき、教育研究活動の活性化とその成果の還元を目的とし、地域住民を対象とした社会連携・社会貢献活動に取り組んでいます。また、公開講座等の開催は、地域の方々に生涯学習の場を提供することで地域に貢献し、大学が地域に根ざして発展することをねらいとしています。

2.内容

教育学部の畑宗平教授による、『遺伝子で辿る人類史 — 青い眼の秘密 —』という題目の講演では、男親からのみ男子に引き継がれるY染色体のDNAと母親からのみ子どもに引き継がれるミトコンドリアDNAの塩基対読み取りで分かったことの事例の紹介から講演は始まりました。

例えば、ミトコンドリアDNAを読み解いていくと、アフリカの女性にたどり付き、われわれ人類(ホモサピエンス)はアフリカを起源としていることが(ミトコンドリアDNAからのアフリカ単一起源説)分かったことの科学的な解説が行われました。

氷河期を終えて、地球の温暖化が進み熱帯に変わりつつあったため、一部の人類(ホモサピエンス)は、約10万年前頃からアラビア経由で北部へ移動し、アフリカから長い年月をかけて、西アジア周辺に移住し、世界に拡散し始めました。

遺跡から出てきた人骨の年代調査では、最初に気候が温暖でフルーツや魚介が豊富な赤道付近へ移動したことが確認できます。

『遺伝子で辿る人類史』の講演の様子
昨年度ノーベル賞のスバンテ・ペーボ博士
Y染色体とミトコンドリアDNAの特性
  Y染色体とミトコンドリアDNAの所在
アフリカから人類が拡散したルートの予想
人骨の年代測定から分かった拡散ルート

ヒトの体内には「メラニン」という重要な物質があり、太陽の紫外線から人体を防御する働きをします。アフリカで誕生した最初の人類(鼻の形など)の肌は褐色でした。アフリカを出た後の環境に対応するために、肌色や顔形や髪の色が変化しました。

眼の色もメラニン色素の濃淡で決まります。(青い眼は潜在遺伝で、任意で青い眼の遺伝子を残しました。)

環境に適合した白人・黄色人・黒人の特徴
青い眼の秘密を探る化学反応実験

次に「青い眼の秘密」と題した、「青い眼」の青色の発色原理についての演示実験が行われました。

部屋の照明を暗くして行う実験では,ICT機器を用いて実験手順や実験器具の配置および実験中の変化の様子をプロジェクターに映し,「青い眼」の青色の再現モデル実験が詳細に観察できるように配慮されて行われました。

実験はICT機器の拡大画像で観察
「青い眼」の青色の再現モデル実験

2006年より核DNA(A/T/G/C)の高速解読が次世代シークエンサー(DNAの塩基配列決定装置)で可能になり、スバンテ・ペーボ博士はネアンデルタール人とホモ・サピエンス間に交雑があったことを明らかにしました。今後、滅びた人類の遺伝子がすべて明らかになる日、今までの定説や常識が覆る可能性が出てきました。

詳しくは、stand.fmの「つながる姫大edu.」で聞くことが出来ます。(https://stand.fm/channels/6247fc127cd2c74328bdd999)